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2024.09.03

サステナビリティの特別講義とワークショップを開催!「WWDJAPAN」サステナビリティ・ディレクター向千鶴氏が来校


「WWDJAPAN」サステナビリティ・ディレクター向千鶴氏によるファッション業界とサスティナビリティの関係性についての特別講義が開催されました。

講義は、ファッション業界におけるサステナビリティを中心とした講義と、それを受けて学生たち自らが考え、ディスカッションし、発表するワークショップ形式の2部構成で進行。
まず、向氏からは、ヨーロッパのサステナブルに関係する法律、日本の脱炭素といった世界の流れから、「サステナブルを追及することは未来を見ることなんだ!」「業界のサステナシフトに尽力する!」と感じ、サステナビリティ・ディレクターに就任した経緯を紹介。

次にLVMH、ケリング、ナイキ等のグローバル企業や、オンワードやしまむら等の国内企業の勢力図を、具体的な売上収益も含めて解説。身近な企業の勢力図に加え、企業間のデザイナー争奪合戦やサステナブルな経営の戦いの話へ。「サステナビリティは企業として生き残るための必須戦略である!」との話に、学生達は興味津々。

 

ステラ・マッカートニーやダブレット、ディーゼル等のサステナブルなファッションショーの映像、エルメスやプラダ、ノースフェイス等のリサイクル素材を使用した商品の紹介を交えて、ファッション産業とサステナビリティの要点を解説。

 

講義の最後は、「循環型ファッション」について。リサイクル素材から新しい商品が生まれ、レンタル・サブスク・リペアといった形で流通し、衣類を分別して収集する流れが広まっていると解説。しかし、「販売員にサステナブルな取り組みが伝わっていない!」と現状抱えている問題提議も。

 

質問タイムでは、講義の話で様々なことを考えさせられた学生達から、多くの質問が飛び交い、非常にアグレッシブな時間となりました。「サステナブルな取り組みをしたいとは思うが、何をすれば良いのかわからない。」との質問に対しては、「今、やりたいことの中にサステナブルなことが、きっとある。そこからで良い。」と学生に寄り添ったアドバイスも。

 

続くワークショップは、学生達によるディスカッション形式。学科別でグループに分かれ、自分達にはどのようにサステナブルな取り組みができるのかをディスカッション。

 

そして「集めた古着でアップサイクルした商品を作る。」「リユース・リサイクル・レンタルとして使用する。」「着なくなった服はリメイクしてスタイリングに活用する。」など、それぞれの学科の特色が出た内容を発表!スーパーデザイナー学科4年からの「日本の産地はサステナブルな取り組みをしているのに、アピールの仕方が下手。」と、最上級生らしい堂々とした発言に対し、「そうなの!」と向氏が熱く同調する場面も。

 

今回の特別講義は、サステナブルについての知識を深め、今の学生達に何ができるのかを考えさせるきっかけとなり、また、学科&学年の異なる学生同士が意見交換する場となったことで、大変有意義な授業となりました。

 

▼向 千鶴(むこう・ちづる)氏
「WWDJAPAN」サステナビリティ・ディレクター
東京女子大学卒業後、デニムアパレル会社エドウイン営業職、日本繊維新聞社記者を経て、INFASパブリケーションズ入社。記者として国内外のデザイナーズブランドを担当し、「WWDジャパン」編集長などを経て、21年4月から執行役員「WWDJAPAN」編集統括サステナビリティ・ディレクターに就任。記者業務に加えて、ファッションスクールでの講義、省庁の有識者委員なども通じてファッション産業のサステナビリティ・シフトに尽力。24年8月にINFASパブリケーションズを退職し独立。現在「WWDJAPAN」サステナビリティ・ディレクターを務めつつ、活動の領域を広げている。