コラボ
2022.01.25
本年度より、先染織物「播州織」の産地である兵庫県西脇市と産官学協働で提携。 第一弾として、ハンドベル楽団「ティンカーベル」の舞台衣装を制作しました。 「ティンカーベル」は、西脇市を拠点に活動する、全国的なコンテストで金賞を受賞する実力派楽団です。
西脇市は、「西脇ファッション都市構想」を掲げ、若手デザイナー向けの「コワーキングスペース」の創設や、有名劇団・ショップと「播州織」で協業を行うなど地場産業の振興・拡大にとても積極的です。今回の協業は、市が主催する目玉イベントに向けた「特別ミッション」としてスタートしました。
企画・デザインを行ったのは、スーパーデザイナー学科3年。まずは、西脇市の生産工場や歴史資料館、繊維技術支援センターを訪問。「播州織」の歴史や西脇市の特徴についてリサーチ。
学生たちは3グループに分かれ企画。 リサーチに基づきコンセプトを立案、スーパーデザイナー学科の感性をプラスしたデザインを考案。 コンペ形式で、西脇市関係者と「ティンカーベル」の皆さんに向けプレゼンを行いました。
プレゼンでは、「兵庫県繊維技術支援センター」の協力のもと、学生の想いとコンセプトが見事に再現されたオリジナルテキスタイルも披露されました。
プレゼンの結果、山田さん(リーダー)・佐藤さん・堀山さんのチームの企画が採用となりました。 デザインテーマは、「エレガンスな大人の女性に可憐さを取り入れ、新しい美しさを引き出す」。 オリジナルテキスタイルは、西脇市を流れる3本の川と、西脇市の市花であるシバザクラからインスピレーションを得ています。 一際美しい生地と、各演奏者に合わせてカスタマイズされたデザインは、関係者からの評価が高く、大変好評でした。
デザイン決定を受け、ファッション・クリエイター学科オートクチュール&舞台衣装コース2年が縫製を担当。 仮縫い&調整を繰り返し、ようやく完成。 最終フィッティングでも微調整を行うなど、細部までこだわって作り込みました。
衣装のお披露目は、ミュージックベルとトーンチャイムを演奏する全国初のコンテスト「ミュージックベル・トーンチャイム全国コンテスト」。 西脇市市民交流施設オリナスホールの開館記念事業の一環で開催されたイベントです。 学生たちが制作した衣装が「ティンカーベル」の見事なウェルカム演奏に花を添えました。
今回のように産地と協業しモノづくりすることは、プロのデザイナーが実際に行う業務そのものです。 繊維業界のプロと協業し、モノづくりを実践的に経験できる機会は大変貴重な体験となりました。
大阪文化服装学院では、産地との協業に力を入れており、2月の卒業作品発表会ではデニムの産地「岡山・児島」のリサイクルデニムを使用したコレクション発表、3月には「西脇・播州織」「高野口パイル」「尾州毛織・ニット」各産地特有のテキスタイルを使用し制作した商品を販売する、スーパークリエイティブアクトが阪急うめだ本店で開催されます。 JAPANクオリティの卓越した技術と品質がふんだんに登場しますので、どうぞご期待ください!